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切手LOVEで本LOVEな一冊 [本]

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4.23に書いたアーヴィング・ペンの『FLOWERS』に次いで
最近、アナログ本の魅力を感じた本『切手帖とピンセット』。*
向こうは絶版だけど、これは今年の1月に出たものだから
書店で実物を見られます。

「ブルガリアの切手はグラフィカルな絵本みたい」とか、
「宇宙ものの切手は60年代に多いなあ」とか、
お国柄や時代背景が感じられて、眺めるだけでも楽しいんけど、
切手ひとつひとつに付けられたキャプション(説明書き)を読むと
事務的な説明だけじゃなくて、感想も入っているのがさらに楽しい。

たとえば、ソ連の切手には(以下『 』内引用)
『かっこよすぎるロシア・アヴァンギャルド切手。
緊張感あるデザインと、ソ連切手の特徴である明るく澄んだ色彩が組み合わさって
すばらしい仕上がりです。(後略)』と、特徴と魅力を伝える褒め言葉。
子供たちの顔がなんだかコワく見える切手には
『ライティングまちがってます。これでは悪のこども団。』
ここ、電車で読んでて笑いそうだった〜。
感心、ツッコミetc.、愛あるキャプションがいっぱいです。

伴田良輔氏のコラムで、ドナルド・エヴァンズというアーティストを初めて知った。
彼は自分の中で架空の国を想定&想像して、その国の切手の絵を作品として描き続けたとか。
どこかせつない雰囲気は、繊細なタッチと淡い色のせいだけじゃなくて
幻の世界ゆえかも。(ハリウッド映画のBigスケールな架空の世界とは対極。)
こういう人がいたんだなあ。

公式HPでは、切手帳を模した祖父江慎さんのブックデザインについて丁寧に紹介していたり、
全ページの中身を見せているという、この心意気。
愛着持って作ってる気持ちが伝わってきて
「こりゃ絶対買うって!」と私の中の越中がスイッチオンでしたよ。
著者の加藤郁美さんがあとがきの中で『やっばり本は愛がなくちゃね!』と書いていて
切手LOVEは本LOVEでもあるんだなあと。

紙の物としての楽しさ。
知らない世界に出会える。
切手と本の共通点。


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