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目から栄養補給 [本]

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暑くて忙しかった夏に見ていた本のこと。
文字を読むのは好きだけど、仕事で原稿を書くために
テキスト画面に向かっていると、色味のあるものが見たくなるので
そんな時に効いたのがこの三冊。
ビジュアル・サプリメントといったところかな。

(左上)『純喫茶コレクション』は、新聞の広告でタイトルに惹かれて、
本屋で装丁にグッと来て、すかさず購入。
横長がチャーミングでビニールカバーがレトロな感じ。
昭和40年代の少女マンガの単行本にこういうカバー、
付いてたなあ。(When I was 小学生。)
この本、ブログを書籍化したそうで、そちらもブックマークしました。
自分は本からブログを知ることが多いなあ。ネコ関係とか。

行く店って決まってきちゃうから、知っていても
行ったことのない喫茶店もあるので、この本をガイドフックに
神保町の「神田伯剌西爾」へ行きましたよ。
名前は“ブラジル”とラテンだけど、内装は古民家の風情。
一緒に行った人も喜んでました。
音楽も鳴ってないし、オレンジ色の照明も落ち着くし、
と、書いていたらまた行きたくなってきた。
神保町でどこへ入ろうか迷ったら、
おすすめです!(←「シネマハスラー」の締めゼリフ風に)

東京だけじゃなくて、熱海、日光、弘前etc.地方の喫茶店も載っているので、
その土地に行ったら寄ってみたいなあと、喫茶ファンタジーがふくらむのも一興。
著者の方、普段はお勤めしていて、趣味で喫茶店巡りをしているそうで
地道な喫茶店愛で出来ている一冊だなあと。

そういえば、有楽町の「ストーン」、復活してた!
この前、閉店後のガラス越しに覗いたら
インテリアは変わっていないようだったので楽しみですぞ。

(左下)『I Love BEAR 愛しのくまキャラ』は、
特にクマキャラ好きというワケではないし
(カエルの方が好きかも。カーミットとか。)
買う予定はなかったけど、中を見たら面白そうだったので購入。
プーさん、リラックマ、ベアブリック、くまモン、
シュタイフ、ファーファete.全部で145のクマ大集合。
「くまキャラって、こんなにいるんだー」と感心。
『トイ・ストーリー3』のロッツォ、ディック・ブルーナの
ボリスやブラック・ベアがいるのがうれしい。
プロレスファン的には、武藤ベアーも載っているのがウケた!

(右)『Encyclopedia of Flowers—植物図鑑』 は、『BRUTUS』の紹介記事で見て
「なんだかきれいで凄そう」と思って書店で確認したら、やっぱり凄かった!
前半は黒バックにたくさんの花と、後半は白バックに一輪の花、
黒バックにアップ、というコントラストが美し〜。
生き物のオーラというか、きれいさを越えて迫力を感じたり
その中に切り花の刹那も感じたり。

撮影された花は全部、学名(ラテン語&欧文)と和名が
写真付きリスト&索引で紹介されているというアカデミック&親切編集。
この情報量(ページの厚さだけじゃなくて、中身の密度の濃さも全部)で
この値段は超サービスだと思う。
花の姿もいいけれど、名前を見るのも楽しいことに気づいた。
「グロリオサ」は、メキシコのルチャドールっぽいし、
「ストレリチア・ニコライ」RINGSロシアにいそうだし。
リングネームを考える時の参考にもなる一冊です!

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70年代少女マンガ界の初代タイガーマスク [本]

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去年買ったままだった大矢ちき 『回転木馬』を読みました。
このマンガ、『りぼん』連載時にリアルタイムで読んでたから、懐かしくて買ったもの。
なぜか一度も単行本化されていなくて、また読んでみたいってのもあるけど
とにかく、あの絵の描き込みが見たかったのが一番。

ストーリーは、血の繋がりで苦しむ悲恋もので、時代を感じる。
男の子二人がひとりの女の子を好きになる(一方は婚約者)→
婚約者じゃない方に惹かれる女の子→この二人は兄妹だった!?
→運命を儚んだ二人で天国への階段→実はもう一方が兄さんだった!→なんだそれ、遅いよ!
…という流れ。(こう書くと悲恋ものに思えないって!)
ぶっちゃけ無理矢理感は否めないけど、それを越えるのが絵の細かさ・美麗さ。
ストーリーへのツッコミもぶっ飛ぶですよ。
有吉京子や一条ゆかりが手伝いに来て、金髪や点描を手伝ってくれたという
エッセイマンガも載ってたけど、こういう絵にしたいというものがなければ完成しないわけだし。

この本ではカラーページも再現されているから
カラーの色づかいがキレイさをあらためて感じたなあ。
イラスト集『絵独楽』を取り出して久しぶりに見てみたわ。
髪の毛の細さ、背景の色のにじみ具合、たまりません。今見ると、特に花がいいなと。

細かい描写だけどリアルさオンリーじゃなくて
ファンタジー的な雰囲気もあって、そのバランスが絶妙。
人物はアルフォンス・ミュシャ、花や風景はロジャー・ディーンの絵を
見たときの気持ちに似ている感じ。

で、なぜ大矢ちきが初代タイガーマスクかというと、
どちらも高度なテクニックで子供心をつかんで
短い間にインパクトを残しているから。

Wikipediaを見ると、
大矢ちきは、1972年デビュー・『りぼん』での活動は1975年の『回転木馬』が最後、
初代タイガーマスクは、1981年デビュー・1983年退団、とあるから
活動期間は数年だったんなだなあ。

それだけじゃなくて、その後もスタイルを変えて
活躍を続けているところも共通してる。(「 」内Wikipediaから引用)
ちきさんは「その後活動の場を『リリカ』に移し、1978年には『ぴあ』で
イラストパズル「ぴあパノラマ館」を開始。」
初代タイガーは「UWF参戦時はマスク・コスチュームのデザインを一新し
「ザ・タイガー」「スーパータイガー」のリングネームを使用している。」
おおっ、その時代、ちきさんはひらがなの"おおやちき"名義だし、そのあたりも通じるわ。

あっ、でも、デビューはちきさんの方が先だから
実は初代タイガーがプロレス界の大矢ちきなのかも?

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一番ガチなのは全女。 [本]

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ビューティ・ペア〜クラッシュ・ギャルズをリアルタイムで知っている世代としては、
読んだら止まらなくなる&引き込まれる本『1985年のクラッシュ・ギャルズ』

昔は女子プロもテレビで普通に放映してたから、今のようなプロレスファン目線じゃなくて
ドリフやひょうきん族、サリーちゃんやザ・ベストテンを見るのと同じ感覚で楽しんでた。

当時の記憶としては、飛鳥は初めから完成された雰囲気だったけど
千種はきゃしゃな感じからだんだん頼もしくなっていた印象がある。
自分は特にどっち派というのはなかったけど、とにかく二人はスターだった。

クラッシュ結成前の飛鳥vs長与では負けた千種が、
WWWA戦では王者組(ジャンボ堀・大森ゆかり)に破れたクラッシュが
お客さんを引きつけていたところを読んでいて、これって、モー娘。とかAKBとか、
アイドルの成長を見守るのと似てる気がした。日本人ゴコロにはまるのかな。
「プロレスって、お客さんの心をつかんだ者勝ちなんだなあ」
とあらためて感じていたら、週プロ最新号の北斗晶インタビューで
すごくうなづけることが語られてた。

「本当の勝負ってベルトを巻くとか勝つとか負けるとかじゃない。
試合が終わってカンカンカンと鳴って、勝った者が手を挙げられてるとき、
もし自分が負けたとしても寝てるほうの人間をお客さんが見てたら、
それは寝てるほうの勝ちなんだよと。
(中略)
後楽園ホールの試合の帰りに居酒屋でみんなとワイワイ、
今日の試合はああだったこうだったと話すとき、
きっとそこでその日のMVPは決まってる。
MVPになれなかったら本当の勝ちではないってことよ。」
(週刊プロレス 2012.2.1 NO.1614より)

これ、プロレスファンなら、メチャメチャ共感するよね。

千種はよく天才と言われるけど、努力家でもあるんだよねえ。
ビデオデッキが壊れるまで男子の試合をリピートして見たり、
雑誌から写真を切り抜いて技別スクラップブックを作ったり、
藤原組長や佐山、前田から技を教わったり、探求心がハンパじゃない。
タッグ戦でロープに腕を伸ばす馬場さんの手の表情まで読みとって、さすがだと感心したなあ。
腕を伸ばすことは交代したいだけじゃなくて、攻められていることを表現していて
「ああ、負けちゃう」とお客さんを引き付ける役割があるんだなと。
サッと交代するより、やっとの思いで交代して巻き返した方が、見てる方も力入るもんね。
観客を引きつける見せ方・伝え方を熱心に研究して、それを表現できるから天才なんだなあ。

飛鳥はアスリートとして完成された姿からは意外な(?)
悩んだり葛藤していた印象に残った。(ネガティブな意味ではなくて)
強いけれど面白くない、と会長に言われていたり、
芸能活動とプロレスのバランスに悩んで試合会場に行かないと言い出したり。
強く見えたスターにも弱い部分があったんだ、と人間味が感じられた。
復帰後、ヒールとして開花したのは、ダンプのような強烈なヒールと
対峙してきたことが活かされていると読んで、経験に無駄はないんだなあと。
クラッシュの親衛隊解散後、飛鳥ファンクラブに名前を付けてくださいという
お願いに応えたり、そんなやさしい面もカッコイイ。

この本読みながら、クラッシュの物語をドラマ化して欲しいと思った。
プロレスラーへの夢、他の選手の妬み、人気タッグの輝きと終焉etc.と
ドラマ的要素たっぷりだし、女子プロレスの枠を越えて、女の人間劇場ですよ。
自分が書店員だったら、女の生き方コーナー作って
オードリー・ヘプバーンやココ・シャネルの本の横に並べたい。

同じ著者のインタビュー集『1993年の女子プロレス』も去年読んだけど、これもメチャメチャ面白かった!
ジャガー、デビル、ブル、アジャ、京子etc歴代の全女レスラーや仕掛人のロッシー小川、
ライバル団体JWPの尾崎、千種の教え子・ガイアの里村、広田まで
対抗戦で盛り上がった時代を中心に、当時の心境が語られてて、こっちにもドラマがいっぱい。
全女内の闘いが厳しいから対抗戦の方がラクって選手は言ってたとか。
それだけ生存競争が激しいってことだよねえ。スゴすぎ。
「一番ガチなのは…全女なんだよ!」と、中邑真輔にナレーションして欲しい。
(本人の名語録「一番スゲエのは、プロレスなんだよ!」の口調で。)

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帰ってきた三沢さん [本]

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先週発売された三沢さんの本(『ドンマイ ドンマイッ! —
プロレスラー三沢からのメッセージ』*)を読んでます。

NOAHの携帯サイトの連載を選り集めた本で、
サイトの方は読んだことなかったから、
トークやインタビューとはまたひと味違ったノリが新鮮。
といっても、書き言葉だからといって、よそよそしい感じはゼロで
気さくな中にも礼儀あり的な普段着口調with絵文字、
「ぶっちゃけ」もよく出てくるし。
ユーモア、ときどき下ネタ、ところにより
オヤジギャク(自分への突っ込み付き)、若手選手いじり、といった模様。

去年は雑誌やスポーツ紙の追悼特集を読むのがつらかったけど、
この本は(心の中で)笑いながら読んでます、
永田さん本*は、扉ページがビューティ&デンジャラスでも、各章の切れ目で
ご尊顔の登場が予測(覚悟?)できるけど
三沢さんの本は笑っちゃうポイントが文章中だから地雷の如し。
電車の中で吹き出さないように気を付けつつ。

男気、エロ社長etc.三沢さんを形容するフレーズはいろいろあるけど
自分にとっては「シャレの分かる人」。
全日時代、三沢さんへ同じ名字のハウスメーカーのCM出演の依頼があったけど
話が上で止められてて、当人には知らさせてなかったとか。
それを後から知った三沢さんは出たかったと言っていたから
「そういうシャレの分かる人なんだなー」と思ったなあ。
だから「ザ・リーブ」のCM出演もするんだなあと納得。
ラメの着物で歌う三沢さんは、日本のゲイリー・グリッター!(←イギリスの
グラムロックシンガー。ラメの衣装が目印。)

試合で右目の上を切って病院へ行った時の
ひと言も、ユーモアありすぎ。(『   』内に抜粋)

『病院の先生に「顔で売ってるから、傷が残ると困るんです」って言ってみたげど、
突っ込んでくれなくてちょっとがっかり。』

ケガしてるのに、こんなシャレを効かせちゃうところが
センス・オブ・三沢さんユーモア。
小橋なら絶対こういうコト言わないよねえ。
(小橋はまっすぐな真面目さが魅力だからそれでOK。)

ファンとのイベントでは、人が多く集まるのもうれしいけど、
少なくても、むしろ、ひとりひとりとじっくりコミュニケーションできるのが
うれしいようで、ファンを大切に思っている
懐の深さとあたたかさがあるなあと。

三沢さんが亡くなって1年経ったんだなあと(命日は6月13日)
最初は偲ぶ意味で手に取ったんだけど、
ユーモラスな日記を読んでると、なんだか今も巡業中な気がするなあ。

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切手LOVEで本LOVEな一冊 [本]

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4.23に書いたアーヴィング・ペンの『FLOWERS』に次いで
最近、アナログ本の魅力を感じた本『切手帖とピンセット』。*
向こうは絶版だけど、これは今年の1月に出たものだから
書店で実物を見られます。

「ブルガリアの切手はグラフィカルな絵本みたい」とか、
「宇宙ものの切手は60年代に多いなあ」とか、
お国柄や時代背景が感じられて、眺めるだけでも楽しいんけど、
切手ひとつひとつに付けられたキャプション(説明書き)を読むと
事務的な説明だけじゃなくて、感想も入っているのがさらに楽しい。

たとえば、ソ連の切手には(以下『 』内引用)
『かっこよすぎるロシア・アヴァンギャルド切手。
緊張感あるデザインと、ソ連切手の特徴である明るく澄んだ色彩が組み合わさって
すばらしい仕上がりです。(後略)』と、特徴と魅力を伝える褒め言葉。
子供たちの顔がなんだかコワく見える切手には
『ライティングまちがってます。これでは悪のこども団。』
ここ、電車で読んでて笑いそうだった〜。
感心、ツッコミetc.、愛あるキャプションがいっぱいです。

伴田良輔氏のコラムで、ドナルド・エヴァンズというアーティストを初めて知った。
彼は自分の中で架空の国を想定&想像して、その国の切手の絵を作品として描き続けたとか。
どこかせつない雰囲気は、繊細なタッチと淡い色のせいだけじゃなくて
幻の世界ゆえかも。(ハリウッド映画のBigスケールな架空の世界とは対極。)
こういう人がいたんだなあ。

公式HPでは、切手帳を模した祖父江慎さんのブックデザインについて丁寧に紹介していたり、
全ページの中身を見せているという、この心意気。
愛着持って作ってる気持ちが伝わってきて
「こりゃ絶対買うって!」と私の中の越中がスイッチオンでしたよ。
著者の加藤郁美さんがあとがきの中で『やっばり本は愛がなくちゃね!』と書いていて
切手LOVEは本LOVEでもあるんだなあと。

紙の物としての楽しさ。
知らない世界に出会える。
切手と本の共通点。


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アナログ書籍・ネバー・ダイ [本]

グーグルやらキンドルやらiPadやら、電子書籍関連の話題をよく聞くけど
こういう本を見ると、アナログ本ならではだなあと思う。

アーヴィング・ペンの写真集『FLOWERS』*

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以前見た時は、花のカラフルさが印象的だったけど
久々に見たら、枯れかけた花も撮っているところや
花の脈の精密さがいいなーと。
人間で言ったらシワも血管もきれいって感じ?
写真はデジタルだと見る側のマシンによって見え方が違うから
このゾクゾク感は写真集ならでは。
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写真集って、ただ写真を寄せ集めただけじゃなくて
サイズ、紙質、ハードカバーかソフトカバーか、
写真を並べる順番etc.全部ひっくるめて、1冊そのものが"作品"なんだよね。
写真家本人が存命中に関わったものは特に。(ペンは去年鬼籍に入りました。)
"家に帰るまでが遠足です"みたいなもんですよ。(違うか。)

戦後の日本を撮ったモノクロが味な
ワーナー・ヴィショフの写真集がCD-ROMで出てるんだけど、
やっぱり本で欲しいなあ、と思って未だ未入手。中古探索ですな。
写真集ってあんまり増刷されないから、いつの間にか中古価格が上がってたり
復刻版が出る作品も限られているのがネック。
アナログ本の魅力が伝わるのにねえ。

"写真集は手軽に買えるアート作品"と
何かの記事で読んでなるほどー、と思ったなあ。
となると、部屋に積まれた本の樹海も
アートの鉱脈に思えてきたりして。


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線の先には。 [本]

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キレイな色の本が見たくなって、引っ張り出した絵本『Follow The Line』*

この絵本を知ったのは、数年前、知り合いへ出産祝いに大人も楽しめる
グラフィカルな絵本を贈ろうと思って、売り場をウロウロしていた時。
黒バックにピンクやブルーが利いていてキレイだなーと手に取ってよく見ると、
表紙の線が中の絵に続いていて、これ、面白いなあ、と"自分用"に購入。
(色合いが渋いかなと思って、出産祝いは他の絵本にしたのでした。)
ページをめくるたびにバックの色が変わるから
パッと見、カラフルな印象なんだけど、実は原色は少ないし、
見開きで使っている色のトーンも揃えていて、結構落ち着いた感じ。
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内容はストーリーものじゃなくて
絵の中に登場しているものの数を数えるスタイルになってます。
"How many birds can you count?"等の質問がいろいろと。

『せんをたどって 』*という日本語版も出てます。(こっちは持ってないけど。)
日本語版も、表紙のタイトル文字が一筆描きになってる!
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英語版は裏表紙に「THE END」って書いてあって、そこまでしっかり一筆描きなんだけど
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日本語版はどうなってるのかなー、と思って本屋へ行った時にチェックしたら
一筆描きで「おわり」って書いてあった!ひらがながなんとも微笑ましい感じだった!(^o^)
ちゃんと原作の世界を反映してるなあ。


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ロジャー・ディーンで脳内トリップ [本]

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「Dragon's Dream ロジャー・ディーン幻想画集」*を時々眺めてるんだけど、やっぱり美しいやねえ。
(ドラゴンと言っても藤波さんのことじゃないワケでね。)
ロジャー・ディーンは、ロック好きの間では超有名なイラストレーター&デザイナーです。
ヒプノシスの捻りの効いたデザインと比べると
きれいなファンタジーって感じが物足りなく感じた時期もあったけど、
比べるものじゃなくて、やっぱりどっちも好きだなあ。

ヤス・ウラノ(DDT)のTシャツ、ロジャー・ディーンがデザインした
YESのロゴのパロディなんだよね。
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画像を探していた時、DDTサイトでヨシヒコのTシャツがAC/CDなのを発見!(笑)
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(話は戻って)
この画集見てて思うのが、「これ手描きなんだよねえ。スゴイや。」
("Acrylic On Canvas"等のキャプションが付いているので
何にどんな画材で描いたか分かります。)
感心したのは、本物っぽさ・精密さよりも、絵から伝わる世界。
切り立った岩の狭間にいるような感覚や
ひんやりとした森の空気が頭の中に広がる感じがする。

デジタルの作品もあるけど、描いた物をスキャンして加工しているから
手で描くことは基本なんだなあ。
今度のディズニー映画(『プリンセスと魔法のキス』)も手描きアニメが復活してるとか。
デジタルを否定してるわけじゃなくて、それぞれのいい所が
活かされれば理想的だと思う。『トイ・ストーリー3』だって楽しみだし。

手描きに感動するってことは今の時代なんだなあ、と思う。
ミケランジェロだってカラバッジオだって手描きなんだよなあ、
と今さらながらに、人の手の力に感心。

"映画『アバター』がロジャー・ディーンの世界に似てる"、という指摘をいくつかのブログで見た。
友だちもリスペクトがないって怒ってたし。
ヒントにしている(かどうかは分からないけど)、宣伝とかでロジャー・ディーンのことに
全然触れてないからでしょうね。
映画は見てないけど、あの森っぽい感じや、空飛ぶトカゲ(?)みたいなヤツ、画集にあるし。
逆に『アバター』は見たけど、ロジャー・ディーンは知らない、という人に、彼の絵を知って欲しいなあ。

年末にBON JOVIのバイオ本を買いに行った時、なかったので、気になってたこの画集を買ったんだけど、 
他に欲しい本もあったのに、これにしたのは、現実逃避したかったからかも。
『アバター』見て現実世界がイヤになった人がいる、なんてニュースも見たけど
どっちも、別の世界へ連れて行ってくれる、という点では通じてるねえ。

昔買った洋書「VIEWS」*も引っ張り出して見てます。
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Uriah Heep、Gravy Train、Greenslade、Osibia etc.
音は知らないけど絵は知ってる、という作品があるある。
それだけ名ジャケとして紹介されてきたのを目にしていた証拠で
印象的な作品が多いってことだなあ。
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ロック様、ぶっちゃけすぎ? [本]

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ロック様の自伝を読みました。(何年も前に買ってあったのを今頃。)
基本的に素のロック様=ドゥエイン・ジョンソン(本名)が語っているんだけど
後半からキャラのロック様が語っている章も出てきます。

自伝だから、子供の頃の話や、奥さんとのなれそめや、アメフト時代の挫折から
WWEへの道が書かれていて、いつの時も家族愛が深いことが印象的だったけど
読んでて一番食いついたのは、プロレスの裏側。
プロレスはシナリオ(打ち合わせ・取り決め)のあるワーク(仕事)だ、
という例をハッキリ語っていて、ぶっちゃけていいんですかい?と一瞬ビックリ。

WWEに入り立ての頃、オーエン・ハートと対戦した時、
彼が左腕にギブスをしていたので、気を遣って右腕を取っていたら、
オーエンは笑って、ギブスはギミックだから心配ない、左腕を取れと
アドバイスしていたり(やられている姿から反撃すると盛り上がるから)
ストーンコールドとお互いの決め技を返しあって
相手のスゴさを観客に伝えようと試合前に意見交換していたり。
今のファンはそういうのを分かって楽しんでいるけど、
これが昭和の時代に出てたらミスター高橋本ばりに物議を醸してたかも。
でも、ロック様の場合、暴露してるわけじゃなくて
お祖父さん・お父さんもレスラーだから
プロレスの仕組みを自然と知っていたんだよねえ。

「ロック様はプロレスラーだとは思っていない。
スポーツ・エンターテイナーだと思っている。」(byキャラのロック様)
の一言に、ロック様の、WWEスーパースターの姿勢が凝縮されてるなあと。

そのロック様、WWEを辞めて俳優に転身してだいぶ経つし、
今はすっかり映画界の人だもんねえ。
ジャンルは違えど、根っからのエンターテイナーなんだろうな。

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豊かなる表情 [本]

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『永田さんのかんがえたこと』を読みました。家の中限定で。
あの強烈な表紙には書店のカバーがかかってるけど、
各章の扉にも顔写真が登場するから、電車で読んでる途中、
うっかり見て笑っちゃいそうなのがデンジャラス。Just Like 地雷。
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文章は真面目なトーンなんだけど、表情が豊か過ぎるから
笑わずに読める自信がなかったよ。

タイトル見て思ったけど、スポーツ選手って敬称略が多いのに
「永田さん」って呼び方は定着してるから、
いっそのこととリングネームも永田さんでいいんじゃないかな。
ジーコ、イチローのように、登録名:永田さんで。
テレ朝の吉野アナも飯塚戦の実況で
「永田さん、危なーいっ!」って叫んでたし。(ぶっちゃけファン目線だよね。)

中身で印象に残ったところをいくつか。
ハーリー・レイスやリック・フレアーを例に出して
チャンピオンの先を読む上手さに言及していたところで「なるほどー」。
技を受けて倒れる時も、ただ倒れるんじゃなくて、
相手の次の出方を読んでのポジショニングだとか。
相手を光らせて、自分も見せるという、奥が深いぜ、プロレス!
テンコジのことも上手いって書いてあった。テンコジ好きとしてはうれしー!

ファンは会社にプッシュされた(作られた)選手は支持しなくて
叩き上げや苦労人を支持する、という指摘はメチャメチャうなづいたねえ。

橋本の面白さはこの本でも健在。
ロード・ウォリアーズが塗っていた筋肉が目立つオイルを
新日の選手たちも使っていたというくだりがあって、
「とくに身体が筋肉質でもない橋本(真也)さんまで「ホットスタッフ」を
塗っていたくらいだから、その効果はおわかりだろう。」
と、永田さんはサラッと書いているんだけど、みんなが塗ってるのを見て
「オレもオレも」って参加してる姿が浮かんで、ウケたなあ。橋本らしいなあと。
でも破壊王は腹筋割っちゃダメだよね。

それにしても、あの表紙をOKしたのは、スゴイよね。
他の選手だったらイヤがる人もいそうなのに、そんな気配全然ないし。
この本の中でも「プロとしていじられたり、おもしろがられたりするのは
ある意味、大事ではある。」と言っているので(表紙のことじゃなくて、
弟の克彦が出場した時DREAMの煽りVのことだけど)
顔芸の評判を客観的&自然に受け止めている感じ。
永田さん、先月息子が生まれたんだよね。
あの表紙、R-15あたりにしないと見たら泣いちゃうって!
しかも、中に実写版もあるという、戦慄の(?)書なのデス。

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