SSブログ

映画の中に、映画を見る。 [映画]

最近(と言っても春頃だけど)観た映画の中で
他の作品をいろいろと思い出したので、それを3本。

■『スーパー・チューズデー 正義を売った日』は
最初、ジャーナリスティクな雰囲気の『大統領の陰謀』かと思ってたら
終わってみれば、お互い弱みを握り合って手打ちにしているところは
パゾリーニの『豚小屋』みたいだと思った。
『スーパー・チューズデー』は女性がらみだけど
『豚小屋』は元ナチスの男vs豚と××する息子を持つ男という強烈さ。
(会話で分かるので、エグい場面はないけど)
DVD引っ張り出して久々に見直してみたい。
それにしても、ジョージ・クルーニー(監督)作品から
パゾリーニが見たくなるとは、想像してなかったなあ。

■『アーティスト』は、サイレントからトーキーへ移る時代設定は『雨に唄えば』
スター男優と新人女優の地位が逆転してゆくのは『スタア誕生』
サイレント時代に囚われたスターの凋落は『サンセット大通り』などなど。
イヌのアギーの主人公に付いて行きっぷりは『オズの魔法使』のトトを彷彿。
賞を獲ったのも分かる役者っぷりですよ!
トトと違ってアギーは本人(本犬?)の名前で、役名は付いてないんだよね。
パンフレットには、劇中の映画シーンは『メトロポリス』『カサブランカ』、
アギーの活躍は、役者犬のフォックステリアが登場する『影なき男』『赤ちゃん教育』を
思わせるなどなど、他にもいろいろな作品との共通点があって
「おおー、そういう要素が入っているんだあ」となるほどがいっぱい。
オマージュ満載、という点ではタランティーノの映画にも通じると思う。

■『ドライブ』は見終わった時、「おおーっ!これって
『ヒストリー・オブ・バイレンス』×『チャイニーズ・ブッキーを殺した男』に
『昭和残侠伝』シリーズも入ってるよ!」と大興奮!(どれも好きなので)
『ヒストリー〜』は主人公はカタギっぽいけど
実は犯罪の世界と関係があって過去が謎めいているところ、
『チャイニーズ・ブッキー〜』は、殺人依頼を達成できるかハラハラさせて、
でもそこで終わらない、犯罪モノかと思いきや男のドラマな展開や
場末のストリップ劇場の雰囲気がメチャメチャ通じる!
『昭和残侠伝』は、流れ者的男が惚れた女と子供を助けるところ。

他にも、いろんな映画との共通点があるようで
パンフレットやネットを見ると、『卒業白書』(タイトルデザイン)、
『ザ・ドライバー』(←これ見てみたい!)『スコピオ・ライジング』
『タクシー・ドライバー』などなど。
(『シネマハスラー』のPodcast聴くともっといろいろ出てきます)

知っている映画が浮かんでも、この作品の世界に昇華されているし
知らない作品があっても楽しめるし、あとで知るのもこれまた奥深し。

主演のライアン・ゴスリングとレフン監督は、
次の作品でも組んでいるので、いいタッグチームになりそう。
レオナルド・ディカプリオ&マーティン・スコセッシや
ジョニー・デップ&ティム・バートンみたいに、長く続くことを期待。

この作品、監督ジョン・カサべテス(『チャイニーズ・ブッキー〜』の監督)
主演エドワード・ノートンで見てみたかったなあ。
カサべテスは89年に亡くなっていて、エド君は96年デビューだから
妄想洋画劇場、ということで。

共通テーマ:blog
もしもTATOOが。目から栄養補給 ブログトップ

この広告は前回の更新から一定期間経過したブログに表示されています。更新すると自動で解除されます。